2026年10月20日(火)に行われた、『ミノタウロスの皿』特別取材会in藤子・F・不二雄ミュージアムに加藤清史郎が出席した。
国民的人気漫画『ドラえもん』の生みの親である、藤子・F・不二雄が 1969年に発表した短編SF漫画『ミノタウロスの皿』。「食べる側」と「食べられる側」の立場が逆転した世界。言葉は通じても価値観が全く通じないことや、自らの常識から抜け出せない人間のジレンマを鋭く描いた本作。この不朽の名作を、気鋭のアーティスト、スズキ拓朗氏が脚色・振付・演出を手掛け世界初の舞台化。12月10日から28日まで新国立劇場 小劇場 THE PITにて上演する。


「ズン類」と呼ばれる牛が支配する、イノックス星に不時着する乗組員役として主演を務める加藤は、藤子・F・不二雄ミュージアムの展示を見た感想を「このミュージアムは私が生まれ育った地元、川崎市にありますので、開館当時から足を運ばせていただいていま
した。今日は数年ぶりだったのですが、何度来ても心が躍るような展示がいっぱいで、その中で期間限定で展示していただいている『ミノタウロスの皿』のコメントや、拓朗さんの絵コンテを見ることができて、より魅力が増しているなと感じました」と述べ、『ミノタウロスの皿』の原作を読んだ感想について「『ミノタウロスの皿』はSF短編集という中に入っているものの1つでして、その中でもひときわ目立ってメッセージ性に長けた作品だなと思っていますし、読んだ時に、ここで終わるのかと思い、ただ食べ物と人間の関係だけではないメッセージを受け取らせていただきまして、そういう思いをSFとして世に出した先生は偉大な方だなと痛感するばかりで。その作品をより立体的に舞台化するという上で、この役目を任せていただけたことを、ものすごく誇りに思いました」とコメント。


加藤は2023年にNHK『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』の一作である『流血鬼』に出演しており、再び『藤子・F・不二雄』作品に携わる今の心境を「またやれるんだっていう気持ちと、縁があるなっていうのは感じます。ご縁のある藤子・F・不二雄先生の作品で、『ミノタウロスの皿』が初舞台化。こんなに嬉しいことはないなって思いますし、SF短編集のSFは、サイエンス・フィクションという意味と、S(少し)F(不思議)でSFと先生は名付けられていて、自分を顧みるような作品が多いなと思いました。ちょっと嫌な夢を見た時の感覚に近いと言いますか。例えば、寝坊する夢を見たとして、起きて『よかった夢か』って思うと同時に、もう寝坊しないように頑張ろうってなるじゃないですか。単純に言えば、そういうことの積み重ねみたいなものが短編集の中にいっぱいあって。それって身近なことに対する教えなんですよね。展示の中の先生の言葉にもあるんですけれども、“常に片足は現実についたままで、手を伸ばしてファンタジーの世界に”というのは、先生が間にいてくださるおかげで、僕たちはそのファンタジーという要素から現実的なメッセージを見出して、自分たちの人生に活かすことができる。面白くて、教えにもなっちゃうような作品を、ポンポンと出せてしまう先生のすごさっていうものを感じます。そんな先生の作品に携わらせていただけるということは、本当に僕にとってこれ以上ない幸せです」と喜びを語った。


最後に「藤子・F・不二雄先生の持っていらっしゃる世界観とメッセージを、この素晴らしい演出家、振付師のスズキさんと共に実験を重ねて、そこで生まれた化学変化みたいなものを、僕は持っている力と体を精一杯使って表現して、皆様にお届けするのみだなと思っております。精一杯頑張りたいと思います。よろしくお願いします」と呼びかけた。