2025年9月18日(木)に行われたミュージカル『エリザベート』製作発表記者会見に山崎育三郎・古川雄大・明日海りおが出席した。
東宝株式会社では、10月10日(金)より東急シアターオーブにてミュージカル『エリザベート』を上演する。1996年に宝塚歌劇団により日本初演、2000年の東宝版初演から観る者を魅了し続けてきた大ヒットミュージカル『エリザベート』。ミヒャエル・クンツェ氏(脚本/歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ氏(音楽/編曲)、小池修一郎氏(演出/訳詞)という最高のクリエイター陣が贈る本作は⻑きに渡り人気を博し、3年ぶりとなる今回の公演で、東宝版初演から25周年を迎える。
エリザベート役の望海風斗さんと明日海が新ビジュアルのアンベールをし、明日海は「エリザベートという作品は皆さんが思う美しい姿がいっぱいあると思いますので、なるべく近づけるよう、スタッフの方々と色々相談して作ったビジュアルを、無事にお披露目することができてよかったなと思っております」とコメント。
その後、トート役のキャストも登壇し、改めて明日海は「今日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。私も(エリザベート役を演じることを)まだ信じられていないところがあるんですけれど、とにかく精一杯、挑んでいきたいと思います」と話し、トート役の古川は「本日はお集りいただきありがとうございます。古川雄大です。僕自身、3度目のトートになります。稽古をしている中で改めてトートと向き合っていまして、望海さんと明日海さんはじめ、新しいキャストの皆さんの素晴らしさに沢山刺激をいただきながら稽古をしているのですが、やっぱりすごく不安ですね。3度目ですけれど、この役はすごく難しいなと思って、本番大丈夫かなという気持ちでいて。僕、よく寝言を言うんですよ。寝言を言っている途中に起きるんです。寝言を言っていたな、みたいなことがあるんですけれど、今日人生で初めて『愛と死の輪舞』を歌っていたんです。いっくん(山崎育三郎)が出てきて、いっくんに『どうぞ』とふっていただいて歌うという(笑)そんな夢を見まして。こんなに連日稽古をしている中、寝ている時も稽古をしているので、きっと大丈夫だろうと信じておりますので、ご期待ください」と挨拶。同じくトート役の山崎は「今回は地方公演の北海道、福岡、大阪に行かせていただくのですが、初日から約2ヶ月後(舞台に立つ)っていう経験が初めてなので、2ヶ月稽古できない状態がすごく不安なんですよ。(井上)芳雄さんが前回博多座から登場されたので、色々アドバイスをいただいているんですけれど、これまで出演したミュージカルの中で1番緊張するんじゃないかっていうぐらい、稽古をみんなで重ねて、そのまま初日ではなく、稽古をしてから2ヶ月後に、1人でスタートするっていうのはどういう感じなのかとドキドキしています。2015年、(エリザベートでは)ルキーニという役でデビューさせていただきまして、トート役を演じるのが2020年の公演だったのですが、コロナで全公演中止になってしまいまして。2022年に帝国劇場で始まったのですが、途中で公演が中止になってしまったので、自分としても本当に悔いが残るといいますか、やりきれてない気持ちがあったので、今回は30代最後の年なので、“サンキュー”の気持ちで、皆さんに感謝を届けながら、今できることを出し切りたいなと思っております」と意気込みを述べた。
稽古の印象を聞かれると明日海は「望海と私とどっちが先に稽古をやるかを常にじゃんけんしながら決めています。(稽古は)ちょうど2幕の途中、ルドルフさんが亡くなられるかどうかのところまで進みまして。今まで演じてきたどの役よりも、覚えなければいけない段取りとか、長年守られてきた型っぽいところもあったりして、その中でどう自分がはまっていくか、そして自分なりのオリジナリティというものはなんだろうっていうのを考えながら稽古をしております」と語り、古川は「スピーディーに進んでいると思うので、すごく大変だと思いますけれども、(エリザベート役のお二方が)素晴らしいですね。僕がもっと頑張んなきゃっていう感じで刺激をいただいています。細かい部分ですが、振りがちょっと違って、自分もトートへのアプローチを少し変えていまして、自分なりに変化はあるんですけれど、大枠で言うと基本一緒です。お二方のシシィ(エリザベートの愛称)が全然違うので、必死に稽古しています」と話し、手応えはと聞かれると「ありで(笑)」と即答。山崎は「手応えしかないです。『私だけに』のシーンを稽古していても、稽古場が静まり返って全スタッフ、キャストが(エリザベート役の)2人を集中して見る瞬間や、2人が色々なものを抱えて戦っている姿を見て泣けたんです。この2人は宝塚歌劇団のトップスターで、舞台の上で覚悟を持って立つという生き様や、エリザベートの稽古を通じて、(山崎自身が)ぐっとなる瞬間があるので、もう間違いないです。手応えしかないです。本当に素敵な舞台になりますので、ぜひ皆さん楽しみにしていてください」と自信をのぞかせた。
また、小池氏の演出について明日海は「色々と冷静に小池さんから言われながら進めているんですけれど、エリザベートのシリアスさや厚みを出したいところが、先生の目にはどうしても(明日海が)メルヘンに見えてしまうらしく、気をつけなきゃと思い、強く頑張りたいと思います」と明かし、来年1月まで公演が続くということで体力作りについて聞かれると古川は「体力作りは前回ほどしていなくて、作りすぎても良くないということに気づきまして、ほどほどにという感じですかね。やっぱりロングランなので、風邪をひかないように、喉を壊さないようにという基本的なことはやっています」と回答。質問者から特別なことはせずにトートに臨まれるとまとめられると慌てて「やる気はとにかくあるので、何もしていなくとも(笑)稽古だけはちゃんとやっています」と弁明し、会場は笑いに包まれた。
地方公演の楽しみはという質問に山崎は「北海道、福岡、大阪、大好きなお店が沢山あります。雄大には昔はよく(食事に誘っても)『僕は大丈夫です』と断られていたのですが(笑)最近は来てくれるようになりまして、前の舞台ではほぼ毎日一緒に食事をしました。なので、また雄大と行きたいなと思いますが、前回の舞台では全額、僕が支払いをさせていただいて。雄大は食事が終わると、お財布を握りしめてニヤニヤしながらこっちを見て、払うふりだけはするんです(笑)だから今回、雄大にご馳走してもらおうと。僕を年上のように扱うのですが、(古川とは)1歳しか変わらないんです」と答え、すかさず古川は「実年齢は1歳なのですが、学年でいうと2つ違います」とコメント。続けてトートへのアプローチについて聞かれると山崎は「情熱的に演じたいです。静けさというイメージがあるのですが、僕は熱いものを感じていて。自分なりのトートを作っていきたいなと思っています」と語った。